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リフラクティブ関西研究会

「Refractive Surgery Update Seminar in Kyoto」

第12回 Refractive Surgery Update Seminar in Kyoto 2012 印象記

京都府立医大眼科 中井義典

 7月21日(土)、ウエスティン都ホテル京都において、Refractive Surgery Update Seminar in Kyoto 2012 が開催されました。今年も丸1日大容量のスケジュールでした。最近のRefractive cataract surgery の流れにより、角膜屈折矯正手術のみならず、特に白内障手術に関連した講演も多数ありました。また今年も参加者数は215名と、例年通り定員を上回る人数の参加がありました。

第一部(午前)は教育セミナーとして、「屈折矯正検査 角膜前・後面形状の評価」(座長 下村先生)および「白内障手術 眼内レンズ、水晶体嚢 逢着術」(座長 真野先生)についてそれぞれ基本的な解説から最新の情報まで、7名の演者による講演がありました。TMS-5(平岡先生)では、角膜後面の測定も可能となり、これまで角膜前面のデータより予測されていた角膜後面の屈折値が実測値とは異なっている可能性があること、特に倒乱視では乱視の軸もずれることがあり、この事が白内障手術や屈折矯正手術の術後度数ずれの原因になっている可能性があるとのことでした。Pentacam(根岸先生)の基本的な特徴として、elevation mapが視軸のずれによる測定ミスを生じないこと、前眼部OCTのCASIA(淵端先生)の、3D表示や円錐角膜検出ソフトなど多彩な機能について、ハードコンタクトレンズ(森先生)のオーダーメイドを含めたこれからの可能性について教えていただきました。眼内レンズの逢着(竹中先生)について、これまでに施行された多数の手術データより、最近は逢着術が増える傾向にあることや、最も多い合併症である虹彩捕獲に対する手術方法など解説していただきました。また特殊な逢着(谷口先生)として、逢着カプセルエキスパンダーを用いた重度のチン小帯断裂症例に対する手術、強膜内固定(太田先生)の、フィブリングルを使用しない新しい手術術式と有効性について、手術ビデオによるわかりやすい講演がありました。
  お昼はランチョンで、稗田先生による「欧米の屈折矯正手術事情」(座長 木下先生)の講演がありました。最近のASCRS/ESCRSにおけるトピックスやアップデートのみならず、府立医大での屈折矯正手術と角膜移植手術に対する新しい取り組みや、日本と海外で異なる屈折矯正手術についての常識非常識、術後感染症の経験についての考察など、稗田先生の哲学にもとづいた楽しい講演でした。

 第二部(午後)は、シンポジウムとして「屈折矯正手術 Update」(座長 稗田先生)がありました。演者は5名で、角膜クロスリンキング(加藤先生)の基本手技から上皮剥離を行わない方法や高出力紫外線の使用の可能性など、世界でのアップデートについて、多焦点眼内レンズのUpdate(荒井先生)として、屈折型レンズの弱点である遠方視機能の低下が生じない新しい多焦点眼内レンズの使用経験と良好な結果について、各種サージカル・ガイダンス(福岡先生)を使用した最新の眼科顕微鏡下手術の紹介、Phakic IOLの新しい展開(神谷先生)として、虹彩切開を必要としない後房型眼内レンズの光学特性や新しいサイジング方法の可能性について、最後にフェムトセカンド白内障手術(木下先生)の現状と今後について、まさに現在の屈折矯正手術について最新のアップデートとなる講演でありました。続いて行われた「JSCRSシンポジウム:白内障手術と乱視矯正」(オーガナイザー 宮田先生、根岸先生)では、最も基本となる眼鏡による矯正(湖崎先生)について、大変勉強になるお話を聞くことができました。エキシマレーザーによる矯正(神谷先生)では、乱視が視機能に影響を及ぼす因子として、大きさだけでなく軸や瞳孔径が重要であることを、データにもとづき示していただき、術後PAKの効果についても紹介していただきました。LRIによる矯正(宮田先生)は、フェムトセカンドレーザーの使用により精度が増すと、今後も白内障手術との同時手術として十分可能性のある手技であるとのことでした。トーリックIOLによる矯正(根岸先生)は、エキシマレーザーによる矯正ほどの精度は求められないものの、現状で最も導入が簡単で有効であることを多数の経験例により解説していただきました。

 最後に第三部では「症例から考える白内障・屈折矯正手術」(座長 前田先生)として、珍しい症例や難症例についての症例検討が行われました。実は毎年Refractive Surgery Update Seminarでは、このコーナーが最も盛り上がるかもしれません。ほかの学会や研究会などでは紹介できないような症例についても、率直な意見が飛び交って、白熱の討論となります。ここでは内容を紹介しませんが、今年も盛況でした。

 以上、朝早くから夜までびっしり詰まったプログラムでした。今年も、全国規模の専門学会に匹敵する内容で、大変勉強になったセミナーでした。一日でこれだけのアップデートが可能な会はほかに無く、お得だと思います(ものすごく疲れますが)。今から来年が楽しみです。


日時: 2012年7月21日(土)9:00~18:00、終了後、情報交換会
会場: ウェスティン都ホテル京都 西館3F コスモスホール
〒605-0052 京都市東山区三条けあげ [map]
tel: 075-771-7111(代表)
プログラム: こちらの【ファイル】をご覧ください。
会費: 医師 5000円 / 企業 5000円 / コメディカル 1000円
定員: 150名
参加申し込み: お申込は終了致しました。
お問い合わせ: LASIK関西事務局 
email: eueno@koto.kpu-m.ac.jp

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